九州国立博物館で席上揮毫会

福岡県太宰府の九州国立博物館で、18日、特別展「王羲之と日本の書」(読売書法会協力)の関連企画として、読売書法会常任総務の髙木聖雨先生、参与の吉村宣枝先生などによる席上揮毫会が開かれました。

先生方の書作を見られる滅多にない機会とあって注目を集め、ホールと別室の鑑賞スペースで合わせて約530人の観客が鑑賞しました。

展覧会は4月8日まで開催されています。

 

 

 

2018年2月18日(日)20:52

九州国立博物館で黒田賢一先生など席上揮毫会

 

九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催されている特別展「王羲之と日本の書」(読売書法会協力)の関連企画として、11日、同博物館で読売書法会常任総務の黒田賢一先生、参事の陣軍陽先生、常任理事の岩田海道先生による席上揮毫会が開かれました。

 

小雪が舞う天候にもかかわらず遠方から駆けつけたファンも多く、特別に設けたモニター観覧のスペースを含めて観覧者はおよそ500人に達しました。

(さらに…)

2018年2月11日(日)23:09

齋藤紫香と仲間たち展

齋藤紫香と仲間たち展

 

2018年1月7日(日)~1月14日(日) アクロス福岡

 

香樹会(代表:齋藤紫香)

2018年1月7日(日)09:00

対談 「明末清初の書」開かれる

対談「明末清初の書」
高木聖雨・読売書法会常任総務 + 富田淳・東京国立博物館学芸企画部長
11月25日 午前11時~12時30分 東京・静嘉堂文庫美術館講堂

 

 

東京・世田谷区の静嘉堂文庫美術館で開催されている「あこがれの明清絵画展~日本が愛した中国絵画の名品たち~」(12月17日まで)は、江戸時代以来、日本人が集めた明清時代の書画を、日本の文人たちの跋や模写と共に展観する試みで、同美術館のコレクションの豊かさを実感させる企画です。六本木の泉屋博古館の「典雅と奇想 明末清初の中国名画」(12月10日まで)と合わせ、明清の書画を鑑賞する絶好の機会となっています。
11月25日、静嘉堂文庫美術館で両館の連携企画として、読売書法会常任総務の高木聖雨先生と東京国立博物館の富田淳学芸企画部長の対談「明末清初の書-連綿趣味の魅力を語る-」が開かれました。約1時間半にわたり、歴史的背景の解説から書作の現場に迫る分析まで、白熱した議論が展開されました。

(さらに…)

2017年12月6日(水)18:00

対談「明末清初の書 ー 連綿趣味の魅力を語る」 11月25日 静嘉堂文庫美術館で

東京・世田谷区の静嘉堂文庫美術館で開かれている「あこがれの明清絵画〜日本が愛した中国絵画の名品たち〜」では、李士達(りしたつ)「秋景山水図」(重要文化財)、沈南蘋「老圃秋容図(ろうほしゅうようず)」などの絵画と共に、張瑞図や王鐸らの書が話題になっています。11月25日(土)には読売書法会常任総務の高木聖雨先生と東京国立博物館の富田淳・学芸企画部長が、「明末清初の書ー連綿趣味の魅力を語る」と題して、この時代の連綿趣味の系譜と魅力を語り合われる予定です。

本展で特に注目される書作品、米万鐘「 草書七言絶句」、張瑞図「草食五言律詩」、王鐸「臨王徽之得信帖」について、詩と手紙を静嘉堂文庫美術館の河野元昭館長が訳されました。(館長ご本人は「戯訳」と呼んでおられます)

文人世界へのアプローチのための楽しく貴重な指南、ガイダンスになりそうです。

 

 

米万鍾「草書七言絶句」
霜降る林で酔った日は さらに山々美しく……
風に揺れる葉 蝉の声 自然が奏でるハーモニー
苔むす道を踏みながら 一人 杖つき遠くへと……
どこまで行ったら最高の 秋を堪能できるやら

 

 

張瑞図「草書五言律詩」=唐の詩人 沈佺期(しんせんき)の「楽城白鶴寺詩」
碧き海 龍宮城へ通う道 お堂の向こうに青き雲立つ
波の音 説教の声 共鳴し 雨の気配にしとる香煙
山を背に生い立つ木々は鬱蒼と…… 流水あふれる渓の涼しさ
無意識に俗世と比べて詩にうたう 心は澄んで涅槃の境地

 

 

王鐸「臨王徽之得信帖」
お手紙拝受、兄嫁様のお病気、いまだ全快されないとのこと、改めて申し上げるまでもなく、大変心配申し上げております。お会いせずにはいられず、お訪ねしたいものと思っておりますが、湖水の水かさが増し、舟で渡ることもできず、離ればなれになったままです。そうでなければ、もうとっくにお訪ねしていることでしょう。やむを得ず、お手紙だけになってしまいますが、遥か遠くからお届けする私の心中をお察しください。この気持ちは私の朋友にも明かしておりません
(貴兄にのみ知っていただきたく存じます)
我が家の祖先である黄門郎(中納言)王徽之の書体を真似ました 甥・鐸
己丑(1649年)十一月 九叔の御前に ご笑覧下のほどを

 

 

3人はともに高級官僚で、いわゆる文人です。文人の作品は、技術に依拠する職業画家とは異なり、詩書画のいずれもが深い教養に根ざした「清雅な心のあらわれ」でした。そして書は画よりも重んじられたとも言います。同じ精神世界の表れでありつつも、書の方が精神性において優ると考えられたのかもしれません。

この明末清初という動乱の時代に、中国は社会全体が大きく変容しました。環境の変化は新しい書を生み出します。明時代に一般化した縦長の軸装作品、条幅は、明末清初に至って大型化し、長条幅が盛んに書かれるようになります。天井から地面まで高さのある壁にふさわしい作品が求められるようになったことも、その背景にあったと言われます。そして連綿趣味もこの長条幅とともに目覚ましい展開を見せたのでした。

高木先生は、25日の対談で「明末清初の新しい連綿の誕生、展開を、王鐸、傅山(ふざん)ら大家と共に、その影響を受けて書作に励んだ知られざる書家たちにも焦点を当て、さらに経済、建築などさまざまな時代背景にも触れながらお話したいですね」と語っておられます。

対談は25日午前11時から、同美術館の地下講堂で開催されます。整理券は当日午前10時から配布。定員は120人です。

本展は12月17日まで。月曜休館。問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600)へ。

 

2017年11月14日(火)14:08

石澤桐雨の萬葉千首

日展準会員で読売書法会常任理事の石澤桐雨先生(72)の個展「萬葉の流れの中にII  石澤桐雨の萬葉千首」展(読売新聞社ほか後援)が29日、東京・六本木の国立新美術館で、千紫会万紅展の企画展として開幕しました。
石澤先生は2013年と2015年に日展特選を受賞されるなど、活躍を続けられています。

 

 

本展は1993年に東京と青森で開いた「萬葉五百首展」の続編で、千五百番までの千首が取り上げられました。昭和の大書家と言われる師の鈴木翠軒(1889-1976)の晩年の傑作「万葉千首」にちなむ企画ですが、翠軒が仮名で揮毫したのに対し、石澤先生は万葉仮名で挑んでおられます。
今回の作品について「前回(1993年)の作品はいま見ると線も細く、才気走った感じがあります。やはり若かった。今回は、少しは落ち着いてきたと思います」と語る。

 

紙幣に使われている純楮紙を選び、薄緑、紫、白茶など12色に染め、扇形や矩形に切られました。高さ3メートルの屏風に貼り付けられた色とりどりの作品群は鮮やかで壮観です。

 

同時開催の万紅展には、3×16メートルの大作「過客」も出品されています。
7月9日まで。

 

2017年6月30日(金)15:56

熊本で開幕 「書 杭迫柏樹の世界展」

 生きる力が湧いてくる――

「書 杭迫柏樹の世界展」が7日、熊本市中央区の鶴屋百貨店鶴屋ホールで始まりました。12日まで、入場無料となっています。開場時間は午前10時から午後7時まで。(ただし9、10日は午後7時30分まで、12日は午後6時まで)

熊本市では初となる杭迫先生の個展で、110点の作品が「会場狭し」と並んでいます。

 

 

本展開催のきっかけは鶴屋百貨店の専門販売部の平川秀夫さん(54)が昨秋に京都文化博物館(京都市中京区)で開催された杭迫先生の個展を見たことに始まります。

 

「書に関しては全くの素人の私ですが、作品を見て鳥肌が立ちました」と平川さんは話します。

熊本地震が発生して5か月――。「私も被災者の一人でしたから、東日本大震災からの復興を願う杭迫先生の一語一語が心に刺さりました。これは是非、熊本の方々にもご覧いただきたい」と思い、杭迫先生に直談判。鶴屋百貨店でも初となる「本格の書」の展覧会を開催することになりました。

 

杭迫先生も熊本地震の発生に心を痛めていました。今年1月に熊本を訪れた際、熊本城の崩れた石垣や民家の屋根に張られたブルーシートを見て、「物品で復興支援をする人もいるが、自分は心で復興支援をしたい」と決意を新たにされました。誰にでも書に親しんでもらえるように、「読めて美しい文字、心がこもった書」をテーマにしました。

 

水前寺清子さんの「365歩のマーチ」や坂本冬美さんの「火の国の女」など、リズミカルで楽しい題材を選択。これら熊本にゆかりのある作品のほかに、総理官邸でも展示された「温故知新」や縦2.3メートル、横10メートルに及ぶ大作「兵車行」など、杭迫先生の数々の書業に触れられます。

 

杭迫先生のお気に入りの作品は「幼年花咲き 青年鳥唄う 中年は風雪 白髪の時如何」。人生を言い得て妙で、自分に対する質問状とも思えると楽しげにお話されていました。また、会場には安倍総理大臣や自民党の高村副総裁、中村梅玉氏からのお花も飾られており、杭迫先生の人脈の広さとお人柄が伺えました。

 

 

展覧会に先立ち行われた開会式では、100人以上の方々が集まりました。杭迫先生は冒頭のあいさつで「日本人の生活空間に書を甦らせたい。本展をご覧いただき、書は面白いということを是非多くの方に広めていただきたい」と呼びかけました。会期中は10日を除き、毎日ギャラリートークやサイン会を開催します。

また、7日の14時から開催した席上揮毫で作品を完成させた「熊本城」の六曲屏風の大作も圧巻の迫力で、見る者に迫ります。

 

是非、多くの方々に「生きる力が湧いてくる本格の書」を堪能いただければと思います。

2017年6月8日(木)18:52

古稀記念 黒田賢一書作展


 日展理事で読売書法会常任総務総務の黒田賢一先生(70)の個展「古稀記念 黒田賢一書作展」(読売新聞社後援)が3日、日本橋高島屋(東京都中央区)の6階美術画廊で始まりました。

 

黒田先生は2011年に日本芸術院賞を受賞されるなど書壇の中心的存在として活躍されています。

 

  連日多くの人で賑わう展覧会場(5月8日撮影)

個展は1984年に姫路で開かれて以来。今回は、古稀の節目に1年をかけて揮毫された作品約90点から44点を選び、展示されました。

 

これまで、大字を中心に発表されてきましたが、「かなの原点は机上芸術ですから」と細字にも意を注いでこられました。今回は細字、大字が等しく取り上げられています。

 

王羲之から近世の書に至る様々な古典と向き合う中で築かれた、豊かな作品世界が披露されています。多様な作品が、互いを引き立て合うように並べられていますが、「線と余白」への意識は一貫しており、黒田先生ご自身はそれを「変化と統一」という言葉で語られています。

 

展示作品の選定にあたり、まず揮毫した約90点の作品すべてを額装し、その上で展示作品を選ばれたとのこと。展示にも厳しい意識で臨まれたことが伝わってきます。

 

今後について伺うと、作品を表装した際に「もっと良く書けそうな気がして、また新たに筆をとりたくなりました」とのこと。創作意欲、可能性に限りはないようです。

 

9日まで開催。開場時間は午前10時30分~午後7時30分 (9日は午後4時閉場)。

 

 

 

 

 

 

 

2017年5月3日(水)16:21

大貫水声書展はじまる

昨年10月に東京都文化功労者として表彰された、水声書道協会会長で読売書法会理事の大貫水声先生(82)の個展「東京都文化功労者表彰記念 大貫水声書展」(読売新聞社後援)が、18日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で開幕しました。

今回の表彰は、江戸川区を拠点に約60年にわたって大貫先生が行われた書作、普及活動に対するもの。大貫先生は「書き初め大会などを含め、長く続けてきたことを認めてくださる方がいたのでしょう」と喜びを語っています。

この表彰を記念して開かれた本展では、30代の日展初入選作から最近作まで約100点が展示されており、漢字時代の作品を含め先生の書の歩みを振り返る内容になっています。さらに特別展示として青山杉雨、浮乗水郷、東山一郎各先生らの書も展示されています。

20日まで。19日は午後5時、20日は午後3時閉場です。

2017年4月18日(火)16:00

「高木聖鶴展」開催記念ギャラリートーク

成田山書道美術館(千葉県成田市)で開催されている「高木聖鶴展―特別展示 古筆と文房具―」の関連企画として、ご子息の髙木聖雨先生、朝陽書道会の森川星葉先生、森上光月先生、藤川翠香先生による「ギャラリー・トーク」(パネル・ディスカッション形式)が、4月9日、同美術館で開かれました。

 

聖鶴先生に長く接してこられた各先生ならではの秘話も紹介され、書の真髄に迫る聖鶴先生の言葉が披露されると共に、思いがけない素顔が明かされて会場が笑いに包まれるひと幕もありました。

工藤照淳・同美術館館長のご挨拶に続いて、髙木聖雨先生が聖鶴先生最後の日々について「(他界の)1週間前に、意識がどれほどあったか定かではない中、天井を紙に見立てて手を宙で動かしているのを病院長が見て、驚いていました」などと紹介された後、各先生が聖鶴先生の思い出を語られました。

 

(写真提供:成田山書道美術館)

 

(さらに…)

2017年4月17日(月)10:04