読売書法会について
読売書法会会長 老川祥一
書道取り巻く大きな動き―文化協会設立や国登録無形文化財決定
昨年の第37回読売書法展は、東京五輪・パラリンピック同様にコロナ禍による1年の延期を経て、無事に開催することができました。審査方法の見直しと徹底した感染防止対策により一人の感染者も出ることはありませんでしたが、これもひとえに審査に関わられた皆様のご協力によるものと、心より感謝申し上げます。
また、昨年は8月に書道の技術を継承する保持団体「日本書道文化協会」が設立され、10月には「書道」が国の登録無形文化財に登録されることが決まるなど、書道を取り巻く大きな動きが見られました。国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録に向けた機運が高まってきたことは大変喜ばしいといえるでしょう。
読売書法展は今年の第38回読売書法展から、高校1年生から出品できるように制度を改めます。意欲ある若者にチャレンジできる機会を提供することで、高い目標を目指して励んでもらえるのではないでしょうか。このような公募展の裾野を広げる取り組みが、ひいては書の振興にも資するものと信じております。
古典と伝統を大切にする「本格の輝き」の理念のもと、今年も現代書壇の最高峰の書作品を多くの方にお楽しみいただけますことを願ってやみません。
2022年4月

読売書法会会長
老川祥一