読売書法会会長 老川祥一
2020年に向けて ― 「本格の輝き」 世界の方々に

 今年、読売書法展は第36回展を迎えます。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、既に世界中の注目が日本や東京に集まっています。昨今は、わが国が抱える少子高齢化の人口構造や若者の活字離れなどの社会現象を背景に、書道人口の減少が深刻な問題となっていますが、今こそ、「日本の書」「本格の書」を世界に、そして日本中に積極的に発信し、アピールしていく絶好の機会と言えるのではないでしょうか。


 先だっては、読売書法会に登録している74会派全ての代表者にお声をかけ、企画委員会を開催いたしました。これだけ大がかりな会議は6年ぶりのことでした。2020年の第37回展の審査会日程が東京オリンピックの開会式に重なるため、会派の指導にあたっていただく先生方に最新の事情を説明し、ご協力を賜りながら、一日最大で300人にも及ぶ審査員などの宿泊者数を調整することが必要となります。


 また、企画委員会では、現場の先生方のご苦労やご意見にも触れることができました。いずれも一朝一夕に解決できる課題ではありませんが、皆さま方のお声に耳を傾け、読売書法展が、今後も、書道界の発展に寄与できる公募展であり続けられるよう全力を尽くしてまいります。


 そして、古典と伝統を大切にする「本格の輝き」の書を、世界の方々に観ていただき、楽しんでいただけるよう、展示方法なども工夫していきたいと考えています。


 読売書法展には、現代書壇の最高峰の書芸術を創出し、一方で健全な書道活動の普及、育成に貢献するという両面性が求められています。会派を運営する役員書家の皆さまとともに時期に適ったよりよい企画を構築し、新聞社が持つ媒体力を発揮して、第36回展がそうした取り組みの新たな第一歩となることを願っております。


2019年3月

読売書法会会長 老川祥一

読売書法会会長
老川祥一