「中部展」閉幕 22日から「中国展」

「中部展」が9月18日(月・祝)に閉幕しました。

今回は、「敬老の日」が月曜日だったこともあり、例年よりも1日多い7日間の会期で行われ、2会場合計の総入場者数は6,009人でした。

台風18号の影響があったにもかからわず、多くの方にご来場いただきましてありがとうございました。

22日(金)から「中国展」が開幕します。

会場案内など詳細はこちらをご覧ください。

広島県立ふくやま産業交流館「ビッグ・ローズ」で24日(日)までの開催です。

2017年9月19日(火)10:02

【中部展】18日も開館_表彰式行います

台風18号の影響が懸念された「中部展」ですが、本日、最終日も開館します。最終日は2会場とも午後5時まで。

 

正午からの表彰式(名古屋観光ホテル)も予定通り実施します。

 

 

 

 

 

2017年9月18日(月)07:42

「関西展」閉幕 明日から「中部展」(名古屋)

「第34回読売書法展」の関西展が9月10日(日)に閉幕しました。

 

9月6日から5日間の会期で京都市勧業館「みやこめっせ」で開催し、入場者数は8,687人でした。

ご来場、ありがとうございました。

 

明日、9月12日からは、中部展がスタートします。

会場案内など詳細はこちらをご覧ください。

 

同18日(月・祝)まで、愛知県美術館ギャラリーおよび愛知県産業労働センター「ウインクあいち」の2会場で開催します。

 

2017年9月11日(月)16:44

今日から開幕「関西展」(京都)

「東京展」に続き、「関西展」が本日、開幕しました。10日(日)まで。

今年から、京都市勧業館「みやこめっせ」1会場のみの開催となっていますのでご注意ください。

会場案内などはこちらへ。 ご来場お待ちしております。

 


2017年9月6日(水)11:47

「東京展」 閉幕 

「第34回読売書法展」の東京展が9月3日に閉幕しました。

 

8月23日から29日までの東京都美術館(7日間)と、25日から9月3日までの国立新美術館(9日間※29日休館)の総入場者数 は、前回よりも4,273人多い、38,309人でした。

 

2会場の内訳は下記のとおりです。
国立新美術館  29,496人
東京都美術館   8,813人

 

多くのご来場、誠にありがとうございました。

 

次は、9月6日から関西展がスタートします。

京都市勧業館「みやこめっせ」で9月10日まで。

 

2017年9月4日(月)18:15

東京展ギャラリートーク6 吉澤鐡之先生

第34回読売書法展東京展は3 日、最終日を迎えました。会場の国立新美術館では、午後2時から、読売書法会常任理事の吉澤鐡之先生=写真 中央左=によるギャラリートークが行われました。

 

読売書法会最高顧問の先生方の作品を中心に鑑賞のポイントを解説されましたが、落款、紙に着目したユニークなお話でした。

 

中でも落款印は、造形上の効果だけでなく、彫られた字句の内容、狙い、背景にも踏み込んだ説明が参加者の方々に新鮮だったようで、作品に向かって身を乗り出すように聞き入る人も。

 

かな作品については、古筆作品には落款印がないことにふれ、どちらかというと控え目な使い方が多いことを指摘されました。その上で、白文を用いて赤を際立たせ、作品との調和を生みだした工夫や、2つの印を用いて、その朱文・白文の効果的な組み合わせによって造形美が作り出された例を、作品に即してお話しになりました。目立たせないように丸くつくられた印については「控え目でありながら印象に残り、格好いいですね」という言葉も。
押印は力のいる作業でもあります。90歳を超えられた先生方のご健在ぶりがこうした点でも伝わってきます。また、押印は感覚が大事で、言葉で教えられるものではなく、学び取る以外にありません。そうした吉澤先生のご指摘に、聴衆の皆さんは印にも匠の味わいが込められていることを実感したようでした。
漢字では大きな印を用いた作品も。印には書家の人柄が反映される面もある、と指摘されました。 中国風に姓を一字に省略した姓名印 、書家の主義主張を反映しつつ造形的効果を生む遊印の説明をされると、急いでメモをとる姿も見られました。また、作品に象形印を見つけてほほえむ方もいました。
この後、聴衆のリクエストに応えて自作の解説も行われました。ご自身の近作の五言絶句「回教徒渡海」を題材にした作品について、詩作の背景とその造形的な意図について説明されると、作者ご本人ならではの話に、会場の人々も書作に参加しているような気持ちの高ぶりを感じているようでした。

 

 

 

 

2017年9月4日(月)13:23

東京展ギャラリートーク 5 有岡先生+吉澤大淳先生


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京・六本木の国立新美術館で開催されている第34回読売書法展のギャラリートークが、2日午後、読売書法会常任理事の有岡●シュン崖先生=写真上 中央=と吉澤大淳先生=写真下 左=をお迎えして開かれ、役員の先生方の作品と大賞・準大賞作品を 約1時間にわたって解説されました。

 

まず吉澤先生が大賞・準大賞の作品のコーナーへ。

折川司さんの調和体による大賞受賞作品は、伸びやかな筆線とリズム感、効果的な余白による明るさを指摘され、その温かみをたたえつつも、意思の強さを感じさせる魅力を説かれました。

準大賞では、かなの川合広太郎さんの作品について、線が続いていながら多様な姿を見せている点に着目。淡墨の美しさ、潤渇の味わい、吟味された紙などが作り出す優美、風雅な世界を魅力としてあげられました。

漢字の城市魁岳さんの作品は、ゆったりした呼吸の中で書かれた神経の行き届いた力強い線、せめぎあう白と黒に注目されました。

澤藤華星さん(漢字)の篆書作品については、垂直、縦長、左右対称、正面性という篆書の特徴を典型的に備えた正統的、重厚な作品で、字の中の空間、全体の空間構成に優れた豊かな造形性に着目されました。

岩井英樹さん(かな)の巻子作品は、まず古筆の持つ優美な流れや空間を特徴として挙げ、近づいてみないとわからない線の表情、紙の繊細な図柄・色合いにも注意を促されました。「どのような筆、墨、紙を使っておられるのか、興味をひかれます」と述べ、先生自身、あらためて作品を熟視されていました。

山内香鶴さん(漢字)の作品については、緊張感のある力強い表現と思い切って使った余白に注目し、「これで作品が明るく仕上がりました」と解説されました。

大池青岑さん(調和体)の作品は「発色のきれいな美しい作品」と述べられ、線の強さと柔らかさを調和させた技量を「何の違和感もなく見せるのは簡単ではない」と評されました。

筈井淳さん(漢字)の作品では自由奔放、大胆な渇筆に着目し、「これだけ渇筆で書くと普通は弱くなるものですが、筈井さんの作品はそのような感じがまったくありませんね」と語り、根底に強靭な線を引く力量があることが作品を成り立たせていることを指摘されました。

篆刻の辻敬齋さんの作品は、上下二つの作品に通じる刀のキレと、思い切った造形上の演出を魅力として挙げられました。

 

次に有岡先生が登場。

最高顧問の先生方の作品が並ぶギャラリーでマイクをとられました。
有岡先生はまず、青山杉雨先生の門下生となられた時に「学問から始めよと、先人の言葉、書と合わせて学問をやらなければならないことを指導されたエピソードを披露されました。続いて、数年前、高木聖鶴先生の個展で古今和歌集の長い巻子作品のどこにも手の滞りがないのに驚き、高木先生ご本人にお話を伺ったところ「(書く和歌は)すべて覚えています。かな書きとして当然のことです」という返事が返ってきて圧倒された思い出を語られました。いずれも、書に真剣に立ち向かうために必要な心得を諭し、物語る言葉でした。

そして、90歳を超えてなお力強い書作を続けておられる先生方の作品が並ぶコーナーで、自由自在で理想的な境地、絶妙な構成美、一本一本の線の強さ、多様な紙面構成による美しさなどを作品に即して解説されると、聴衆はしきりに頷いて聞き入っていました。

 

東京展は3日まで。午後2時から吉澤鐡之先生のギャラリートークが1階展示室で行われます。閉館は午後6時です。

 

 

 

2017年9月3日(日)13:36

東京展ギャラリートーク 3 有岡先生+河西先生

第34回読売書法展のギャラリートークが、31日午後、読売書法会常任理事の有岡●(シュン)崖先生(漢字)=写真上 右=と河西樸堂先生(篆刻)=写真下 中央左=をお迎えして開かれました。
役員書家の先生方の作品と大賞、準大賞の作品について、約1時間にわたって解説されました。

 

河西先生(篆刻):

河西先生はまず、篆刻の常任理事の先生方の作品をとりあげ、使用されている殷・甲骨文字から周・金文、戦国・篆文、秦・小篆、漢・印篆、後漢以降の鑿印まで、時代ごとの文字の特徴を解説し、さらに、たとえば同じ小篆を使っていても多様な作品があることを作品に即して説明されました。隋、唐の時代にも印に使われた字体はあるものの、篆刻では後漢の印篆までが模範とすべき古典とされており、常任理事の先生方の作品も印篆までを題材とされています。読売書法展では、各先生とも古典を重視、尊重して制作に取り組まれていることを強調されました。
また、紙質、印泥の色合いにもそれぞれの先生の感覚、傾向があり、印泥は一人の先生でも10種類を超える印泥から選ばれるとのこと。また、落款、側款にも朱と黒の対比など構成上の考えが反映されていることに触れられました。
準大賞の辻敬齋さんは朱文は甲骨文、白文は鑿印調の作品ですが、共通して言えるのは線質の鋭さ、強さです。「パッと見て、線の印象が強い。ぽつんと置かれていてもまったく寂しくないですね」と作品の魅力を解説されました。

 

有岡先生:

有岡先生は、まず、作品を見る際のポイントとして、造形の美、鍛錬された線の魅力、白と黒の対比などをご指摘。最高幹部の先生方の作品の、線の生命感や卓越した白の残し方・取り込み方を紹介された後、読売大賞・準大賞の解説をされました。

大賞の折川司さんの作品は、2年連続となる調和体の作品です。中心となる「霊」の字の「ドンと筆を置いて、飛沫が飛ぶ」ところに注目し、その求心力が作品の大きな力になっていることを指摘されました。

続いて準大賞を展示に沿って解説されました。まず、筈井淳さん(漢字)の作品は、大胆な線の使い方、隣の字との関係に注目しつつ、「一気に書き、滞ったところがないのが魅力」と見どころを紹介。

大池青岑さん(調和体)の作品については、直線的な楷書に対してひらがなは曲線が多いなど、漢字とひらがな、カタカナを一緒に書くことの難しさに触れた上で、大池さんが行草を用いることによって漢字とひらがなとの親和性を高めていることを指摘。さらに「カーン」の「ー」という縦の一本棒に多少屈折を入れ、ややカーブさせているところなどに注目し「工夫を感じさせずにさらりとやってのけた」と評されました。

岩井秀樹さん(かな)の巻子については、古筆の美をその魅力の第一に挙げられました。落ち着いた雰囲気を醸し出す、やや茶系の紙にも触れつつ、微妙で流麗な線を「澄みきった線」と表現されました。

城市魁岳さん(漢字)の作品では、「最初から最後まで一気に書いた、停滞のない痛快さ」とその魅力を語られました。本文と一体化したかのような落款の妙味にも着目されました。

澤藤華星さん(漢字)は金文の作品です。線を「つぶさない」で残し、それによって空間が微妙に残り、明るさが生み出されていることを指摘。微妙、絶妙な構成と技術に注目されました。

川合広太郎さん(かな)の作品では、筆が開いたり閉じたりする筆法を取り上げ、岩井さんの細い字体と比較しながら、線の美しさの多様性に言及されました。

山内香鶴さん(漢字)は、筆の先が開いた「はじけた」筆遣いの多さや、絶妙な行間が作品を明るくしていることに注目。最後に字がだんだん小さくなっていく箇所を「なかなかオシャレでニクイ」と評されました。

 

2017年9月3日(日)13:34

東京展ギャラリートーク 4 寺岡棠舟先生

第34回読売書法展のギャラリートークが、1日午後、読売書法会常任理事の寺岡棠舟先生=写真 右手前=をお迎えして開かれ、寺岡先生は役員の先生方の作品と大賞、準大賞の作品について、約1時間にわたって解説されました。

 

まず、仮名の成り立ちや学び方の基本を概説された後、師の桑田笹舟先生の「2本の手がある。1本は覚える手、2本目は作り出す手」という言葉を引用して臨書の心得を、「紙は書家の家である」という言葉で紙選びの重要性を説かれました。また「(書を師に見せる時は)31枚目くらいから見せるように」と言われたことに触れ、30枚程度書いてようやく人に見てもらえる水準に至るものである、という教えを紹介。最初に上手く書けなくても何枚も書いていく必要を述べられました。日展や読売書法展のためには「1000枚程度は書くつもりで臨んでいます」とのお話でした。

 

最高幹部の作品の部屋では、緩急、大小、白の使い方、紙の選び方などに触れながら、それが結実して生まれた線の味わい、気品、スケール感などを解説。

続いて大賞・準大賞のコーナーに回り、大賞受賞の折川司さんの作品について、「見せ字」となる「霊」に「魂をぶつけたような情感が感じられる」との印象を語られました。

準大賞の岩井秀樹さんの巻子作品は、半世紀に及ぶ書作を通して岩井さんが吸収、消化された古筆の様々な要素が生かされていることを指摘した上で、余白の使い方の絶妙さ、茶系の下ぼかしの紙にも目を向け、ちらしで表現された近代的、都会的な作品、と評されました。

同じく準大賞の川合広太郎さんの作品については、京都風の格調の高さと、「あしびき」という見せ場を最後に置いた構成の力に言及されました。

2017年9月2日(土)18:23

席上揮毫・篆刻会と毛筆体験会開かれる

第34回読売書法展東京展は六本木・国立新美術館で9月3日まで開催中ですが、30日午後、国立新美術館で席上揮毫・篆刻会と外国人のための毛筆体験会が開かれました。

 

席上揮毫・篆刻会の会場となった国立新美術館3階講堂には約250人が詰めかけ、一色白泉先生の進行により、まず篆刻の岩村節廬先生が登場。『礼記』から「好善」を白文で彫り、さらに側款の採拓も披露されました。「丁寧すぎるよりも、思い切って彫った線の方が生き生きすると思います」などと解説する一方、「印矩の底にはサンドペーパーを貼り付けています」と制作上の工夫にも言及。会場からは「なるほど」と声があがりました。

かなでは、昨年の読売大賞受賞者の湯澤聡先生が、岸田劉生の「美とは何か   美術とは 造化の最後の そして最高の匠なるこの世界の装飾である」という言葉と、柿本人麻呂の「白たえのふじ江の浦にいさりするあまとやみらむ旅ゆくわれを」を揮毫されました。明治33年に現在の平仮名が制定される以前の仮名の多様さに触れつつ、その豊かな仮名を使って書作を行っていることを作品に即して説明。会場からは「渇筆の運筆が予想外にゆっくりで驚いた」という声が上がり、湯澤先生は「あまり速く書いては線が思うように作れません。渇筆は、墨が出るのを待ちながら書く感覚です」と答えられました。

最後は漢字の牛窪梧十先生=写真上=で、まず、北宋の詩人・蘇軾の詩「東坡」を金文でお書きになりました。金文が作られたのは3000年ほど前の時代で、その後の詩を金文で書く際、直接該当する金文文字がない場合もあります。そうした時は、漢文学者・白川静の研究などに基づいて考えられる、と説明されました。蘇軾に続いては、自作の俳句「六月雪(りくげつせつ=リーユエシエ)悲盦青闇墨勁(つよ)く」を揮毫されました。この俳句は、趙之謙(号 悲盦)、河井荃廬、西川寧(号 青闇)という師の系譜と、その師匠たちから受け継ぎ、牛窪先生宅にも植えられているという花(六月雪)をかけたもの。歴史的な流れを感じさせる牛窪先生ならではのエピソードでした。

参加者の一人は「毛筆も篆刻も採拓も、現場を見られる機会は滅多になく、楽しかったです。来てよかった」と語っていました。

外国人を対象とした「毛筆体験会」は今年の新企画です。同美術館3階研修室で、牛窪梧十先生とかなの師田久子先生が、亀澤孝幸さん、真秀ジェ-ムズさんとともに、海外出身の約30人の受講生を相手に約2時間にわたって指導されました=写真下=。受講生は「花火」「道」などの字を仕上げて生徒同士で見せ合い、歓声をあげていました。

 

 

 

 

2017年8月31日(木)15:47