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東京展ギャラリートーク 市澤静山先生
市澤静山先生 8月28日、東京都美術館
市澤静山先生(漢字)は「文字には長い歴史がありますが、『美しく、形よくまとめたい』という気持ちと、『簡単に早く書きたい』という気持ちと、二つの流れが最初から今に至るまで続いています」と、文字の形が多様な展開をしてきた理由を語られました。
さらに「日本では漢字、ひらがな、カタカナの三つを使いこなしている。これは世界の言語でもめずらしい」と、中国から来た漢字が簡略化され、日本特有の文字と書作品が生み出されてきたことを説明。読売大賞・準大賞、読売新聞社賞の作品を回り、篆書・隷書を中心に見どころを詳しく述べられました。
また、読売書法展が掲げる「本格の書」について、「絵を描く方はデッサンをやったり風景を描いたりして練習します。書の場合も、まったく手本なしに形を作ることは出来ません。私たちが古典と呼んでいるものは、いつの時代も評価され、今日に至っているものです。その古典を学び、美を吸収し、自分の書を作り上げていくことです」と説明されました。
そして、「われわれがやっていることは大昔の人と同じ。古典を勉強して、そこに自分を盛り込んで書くということは何ら変わることがない。しかし、じゃあ30年、40年経ってもまったく同じような表現をしているかというと、やはり流れがあって、書も次第に変わってきています」と述べられました。
2018年8月29日(水)17:30