4.書法会役員の書活動
熊本で開幕 「書 杭迫柏樹の世界展」
「書 杭迫柏樹の世界展」が7日、熊本市中央区の鶴屋百貨店鶴屋ホールで始まりました。12日まで、入場無料となっています。開場時間は午前10時から午後7時まで。(ただし9、10日は午後7時30分まで、12日は午後6時まで)
熊本市では初となる杭迫先生の個展で、110点の作品が「会場狭し」と並んでいます。
本展開催のきっかけは鶴屋百貨店の専門販売部の平川秀夫さん(54)が昨秋に京都文化博物館(京都市中京区)で開催された杭迫先生の個展を見たことに始まります。
「書に関しては全くの素人の私ですが、作品を見て鳥肌が立ちました」と平川さんは話します。
熊本地震が発生して5か月――。「私も被災者の一人でしたから、東日本大震災からの復興を願う杭迫先生の一語一語が心に刺さりました。これは是非、熊本の方々にもご覧いただきたい」と思い、杭迫先生に直談判。鶴屋百貨店でも初となる「本格の書」の展覧会を開催することになりました。
杭迫先生も熊本地震の発生に心を痛めていました。今年1月に熊本を訪れた際、熊本城の崩れた石垣や民家の屋根に張られたブルーシートを見て、「物品で復興支援をする人もいるが、自分は心で復興支援をしたい」と決意を新たにされました。誰にでも書に親しんでもらえるように、「読めて美しい文字、心がこもった書」をテーマにしました。
水前寺清子さんの「365歩のマーチ」や坂本冬美さんの「火の国の女」など、リズミカルで楽しい題材を選択。これら熊本にゆかりのある作品のほかに、総理官邸でも展示された「温故知新」や縦2.3メートル、横10メートルに及ぶ大作「兵車行」など、杭迫先生の数々の書業に触れられます。
杭迫先生のお気に入りの作品は「幼年花咲き 青年鳥唄う 中年は風雪 白髪の時如何」。人生を言い得て妙で、自分に対する質問状とも思えると楽しげにお話されていました。また、会場には安倍総理大臣や自民党の高村副総裁、中村梅玉氏からのお花も飾られており、杭迫先生の人脈の広さとお人柄が伺えました。
展覧会に先立ち行われた開会式では、100人以上の方々が集まりました。杭迫先生は冒頭のあいさつで「日本人の生活空間に書を甦らせたい。本展をご覧いただき、書は面白いということを是非多くの方に広めていただきたい」と呼びかけました。会期中は10日を除き、毎日ギャラリートークやサイン会を開催します。
また、7日の14時から開催した席上揮毫で作品を完成させた「熊本城」の六曲屏風の大作も圧巻の迫力で、見る者に迫ります。
是非、多くの方々に「生きる力が湧いてくる本格の書」を堪能いただければと思います。
2017年6月8日(木)18:52