愛媛・村上三島記念館で「歎異抄展」、「長条幅大作展」など開催中

愛媛県今治市・大三島の村上三島記念館では、村上三島の調和体作品による「歎異抄展」(第1室)、6連幅以上の作品を集めた「長条幅大作展」(第3室)と、昭和57年(1982年)の開館に際して寄贈された昭和書壇の巨匠27人による「館蔵名品展」(第2室)などが開かれています。

 

「歎異抄」シリーズは、平成9年(1997年)に本願寺蓮如上人500回遠忌法要に合わせて揮毫された調和体の連作です。今回の展示では、軸作品17点と歎異抄全文を書写した巻子2巻がそろって陳列されています。さまざまな表情を持つ調和体作品が、個性を競うかのように並び、村上三島が目指した漢字かな交じりの書の可能性の大きさを示唆しているように見えます。

 

「長条幅大作展」には8尺以上の作品が並んでいます。昭和61年(1986年)の日本芸術院会員就任記念、昭和62年(1987年)の日中国交回復15周年記念・書業60年記念、平成元年(1989年)の中華人民共和国建国40周年記念・書画巨匠董寿平・村上三島記念展などの折に、この記念館の大ギャラリー(第3室)に合わせて書かれた作品です。70歳代半ばから80歳代にかけて書かれた大作です。今回は隷書作品(4連幅)を例外として、6連幅以上の作品に限定し、18点118幅を一堂に展示。篆・隷・楷・行・草書のすべてにわたった長条幅の競演は壮観です=写真=。

 

「館蔵名品展」には、青山杉雨、大石隆子、金子鴎亭、上条信山、桑田笹舟、小坂奇石、杉岡華邨、高木聖鶴、殿村藍田、成瀬映山、西川寧、日比野五鳳、宮本竹逕ら昭和の巨匠の作品が並んでいます。

「館蔵名品展」は8月まで。「歎異抄展」「長条幅大作展」は年度内展示予定です。展示期間については同記念館(0897・87・4288)へお問い合わせください。

 

 

 

2018年7月21日(土)09:04