関連書道展
東京・センチュリーミュージアムで「書状 ー 人と書とその時代 ー 」展 3月30日まで
手紙が語る歴史のひとこま
2019年1月7日(月)〜3月30日(土) センチュリーミュージアム(東京・早稲田)
センチュリーミュージアムの所蔵品により、平安貴族から皇族、戦国武将、大名茶人まで、日本史を彩る歴史上の人物の書状・消息(かなで書かれた手紙)28点を紹介する展覧会です。見どころをご紹介します。
平安時代に確立されていた手紙の書式
平安時代の公卿・日野資長(すけなが)の書状は、加持祈祷への謝意を記した僧宛てのものですが、本文の後に「謹言」、次の行に日付、続いて差出人、最後に宛名を記す、という書式がすでに平安時代に確立されていたことを示しています。
愛蔵の茶壷
室町~桃山時代の茶人で茶道を大成した千利休の消息は、利休愛蔵の茶壷「橋立の壺」にまつわるもの。知人に貸したこの壺の引き取りに関する連絡と、贈り物への礼が記されています。
「橋立の壺」は、利休の主君、豊臣秀吉が寄贈を求めたものの、利休はその期待に応えませんでした。後に秀吉が利休に切腹を命じる遠因になったとも言われる、いわくつきの名物です。
政宗の素顔
戦国武将・伊達政宗が次女の牟宇姫に宛てたかな消息。12歳で政宗の家臣に嫁いだ娘の様子を案じ、魚などを送ることを書いた、父娘の愛情を感じさせる文面です。左下に記された「まさ」という署名も、私人としての温かみを感じさせます。
大名茶人の書
松江藩主・松平不昧は、江戸時代後期の大名茶人として知られますが、能筆でもありました。催した茶会における道具について記した書状で、不昧の好みを示す貴重な史料とされます。
4階が主会場ですが、5階にも江戸時代の霊元天皇の書状(写真左手前)などが、常設展示の平安〜室町の仏像、朝鮮・新羅や中国・唐などの仏像とともに展示されています。
2019年2月12日(火)08:46