2019年8月
約2000人が出席して中央表彰式
第36回読売書法展の中央表彰式が24日、東京・芝公園の「ザ・プリンス パークタワー東京」で約2000人が出席して開かれました。
読売日本交響楽団による弦楽四重奏の祝賀演奏に続き、読売書法会の老川祥一会長(読売新聞グループ本社取締役最高顧問)が挨拶。老川会長は「昭和、平成、そして今年は『令和』と、読売書法会は三つの時代を順調に運営してくることができました」と昭和の草創期、平成の普及・成熟期を振り返りました。その上で、少子高齢化やデジタルメディアの普及による文字離れなどを受け、読売書法展の出品数も少しずつ減る傾向にあるものの、「最高幹部や執行役員の先生方と一緒に手を携え、読売書法会も『令和』がエネルギーあふれる新しい時代となるように頑張って参りたいと考えております」と述べました。
さらに、訪日外国旅行者が3000万人を超える中、東京五輪が開かれる来年は「書を世界に誇る日本の生活文化としてアピールしていくチャンス」として、今回展から常任総務以上の先生方の作品について、脇にあるQRコードにスマートフォンをかざすと経歴やコメントが英語や中国語でも見られる鑑賞方法を試験的に導入したことを披露しました。
その後、土橋靖子総務部長、髙木聖雨審査部長の報告に続いて表彰が行われ、最高賞の「読売大賞」に輝いた岩井笙韻さん(68)(漢字部門)に老川会長から賞状と副賞、賞金100万円が贈られました。また、今回展から1人増えた「読売準大賞」の9人に賞状、副賞と賞金30万円が贈られたほか、読売新聞社賞、読売俊英賞、読売奨励賞、特選、秀逸、入選がそれぞれ表彰されました。
最後に、読売大賞の岩井笙韻さんが受賞者を代表して次のように挨拶しました。
「私の父、岩井韻亭のその父は、木曽の御嶽山で修行をしておりました。私もその血を深く受け継ぎ、書の道もお山に登るがごとき道と感じております。しかしながら、それは目の前にあるお山のいただきを目指すというよりも、身も心も尽きる所が私たち一人一人のお山のいただきであると心得、ひたすら歩むことなのだと自らに言い聞かせております。
今日の自分よりもあしたの自分という、終わりなき書の道を歩むことが、生きていることの深い喜びであることを今日の受賞は改めて教えて下さいました。私たちをこの場所、この席にまで導いて下さいました先生方の御前にて、これからも力強く書の道に邁進することを誓いまして、受賞者代表の謝辞とさせていただきます」
岩井さんの言葉に会場から大きな拍手が送られ、引き続き祝賀懇親会が華やかに行われました。
2019年8月26日(月)15:57