水戸で「吉澤鐵石回顧展」開かれる

浅香鉄心、大久保龍石の両先生とともに日本書作院を設立した吉澤鐵石先生(1926~86年)の33回忌を記念して、「吉澤鐵石回顧展」(3月16~21日)が偕楽園の「梅まつり」でにぎわう水戸市の茨城県民文化センターで開かれています。

吉澤鐵石先生の「良寛詩」(六曲屏風)=中央=。両側は孫の吉澤衡石先生(右)、吉澤太雅先生(左)の書

 

代表作の「蘇東坡詩」(1975年、日展特選)、「蘇東坡詩『送司勳子才丈赴梓州』」(1981年・日展特選  水戸市立博物館蔵)などを展観。郷里出身の画家・小川芋錢の俳句や、良寛の詩歌を題材にしたものも多く、もともとは画家志望だったというだけに河童や良寛の姿を伸びやかに描いた画が添えられています。

画帖や扇、小箱にしたためた作品なども並び、文人趣味と書画一体の生き方が伝わる回顧展となっています。

右:「蘇東坡詩」(1975年、第7回日展 特選)

 

左:「辟邪降福図」(1986年)

 

別の展示室では「吉澤家の人々展」を併催し、長男・石琥、次男・劉石、三男・鐵之の各先生をはじめ、書家として活躍する一家の作品を一堂に展示。鐵石先生の妻ふみさん、四男・里美さんなど書家以外の家族による絵画や彫刻などの作品も花を添えました。

「吉澤家の人々展」の会場

 

「吉澤鐵石回顧展 併催-吉澤家の人々展-」の会場は2階。会場に向かう階段の踊り場には、鐵石先生の「良寛詩」(六曲屏風)を中心に2人の孫、石琥先生の長男・衡石先生(右)、鐵之先生の長男・太雅先生(左)による大字作品が掲げられ、来場者の目を引いています。

 

 

 

2019年3月18日(月)16:59

第81回謙慎書道会展

第81回謙慎書道展

【第一会場】東京都美術館

 2019年3月17日(日)~3月23日(土)

【第二会場】池袋サンシャインシティワールドインポートマート4階

 2019年3月16日(土)~3月22日(金)

謙慎書道会

2019年3月16日(土)10:00

「土橋靖子書展-回帰・感謝・誠の花へ-」開かれる

日本藝術院賞受賞記念・第20回市川の文化人展「土橋靖子書展-回帰・感謝・誠の花へ-」が3月24日まで、千葉県の市川市芳澤ガーデンギャラリーで開かれています。

 

土橋先生が市川市生まれである縁から、同市が記念展を企画。地元の「手古(児)奈」(てこな)伝説を詠んだ万葉集や伊藤左千夫の歌をはじめ、良寛や山頭火など近現代に至る詩歌、古語を題材に、屏風や大字作品も含めた28点(うち新作8点)が並んでいます。

 

土橋先生と中山忠彦先生(右)

2017年度の日本藝術院賞に選ばれた「かつしかの里」(日本藝術院所蔵)も出品。作家・歌人の伊藤左千夫が市川を詠んだ《かつしかや 市川あたり 松をおほみ まつのはやしの なかに寺あり》《桃梨や しみさくはたに 葛飾の をとめら見れば 手古奈し思ほゆ》の二首が書かれています。

 

日本藝術院賞受賞作「かつしかの里」

また、土橋先生の母で歌人の土橋いそ子さんの短歌を題材にした作品も7点。幼いわが子(土橋先生)を詠んだほほえましい一首《赤き紐 ひきずりながら 厨辺(くりやべ)に 入り来る吾子(あこ)が 「ママ人形おんぶさせて」》もあります。

 

3月2日の開会式には、日本藝術院会員の洋画家・中山忠彦先生(市川市文化振興財団理事長)、同じく日本藝術院会員の日本画家・福田千惠(せんけい)先生、篆刻の和中簡堂先生(市川美術会理事長)などが出席。土橋先生は挨拶の中で、副題の「回帰」について「私が生まれ育ったこの市川に回帰するとともに、最初に手習いを受けた母、そして(師の日比野)五鳳先生に回帰するという意味も含まれております」と述べました。

 

芳澤ガーデンギャラリーがある市川・真間地区は、美しい娘の手児奈が多くの男たちに求婚され、彼らが争うのを憂えて真間の入り江に入水したという「真間の手児奈」の伝説地。彼女を祀る手児奈霊神堂や、水を汲んだという「真間の井」、入り江の中州に架けられた「真間の継ぎ橋」など、万葉集に詠まれた旧跡が点在し、書展と併せて散策する楽しみもあります。

 

 

※『左千夫全集』第一巻(岩波書店)所収

 

かつしかや市川あたり松を多み松の林の中に寺あり

明治33年2月12日『日本附録週報』募集短歌(課題「森」)

 

「桃梨やしみ咲く畑に葛飾の少女ら見れは手古奈し思ほゆ」

明治36年4月27日『日本附録週報』募集短歌(課題「雲雀」)「市川の桃林を見る」反歌

 

 

2019年3月5日(火)17:21

日本藝術院賞受賞記念・土橋靖子書展

日本藝術院賞受賞記念・第20回市川の文化人展

土橋靖子書展 -回帰・感謝・誠の花へ-

 

2019年3月2日(土)~24日(日) 千葉県・市川市芳澤ガーデンギャラリー

 

3月3日(日)、23日(土) 午後1時30分から土橋先生によるギャラリートーク(先着50人)

 

主催:市川市

 

 

 

2019年2月20日(水)08:42

吉澤鐵石回顧展 併催-吉澤家の人々展-

吉澤鐵石回顧展 併催-吉澤家の人々展-

 

2019年3月16日(土)~21日(木) 茨城県立県民文化センター

※JR水戸駅南口から徒歩約20分。バスは北口8番乗り場から。茨城県近代美術館の前

 

33回忌に合わせて開催。

吉澤石琥、劉石、鐵之、里美の各先生方による「吉澤家の人々展」を併催。

 

回顧展図録『吉澤鐵石 文墨の世界』と『吉澤鐵石書「漢詩名句集」』を刊行。
(吉澤鐵石回顧展実行委員会)

 

 

2019年2月20日(水)07:50

第41回 牛刀書道会展

第41回 牛刀書道会展

 

2019年3月12日(火)~17日(日) 愛知県美術館ギャラリー(愛知芸術文化センター8階)

 

牛刀書道会(代表:樽本樹邨)

 

 

 

2019年2月20日(水)07:45

第13回 深紫会書展

第13回 深紫会書展

2019年3月12日(火)~17日(日) 東京・大黒屋ギャラリー(銀座5-7-6 銀座大黒屋ビル)

深紫会(代表:江原見山)

2019年2月20日(水)07:40

第56回 藍筍会書作展

第56回 藍筍会書作展

 

2019年3月9日(土)~15日(金)  東京都美術館

 

※今回展から次世代育成のため高・大生の部を新設。

 

藍筍会(代表:清水透石)

 

 

 

2019年2月20日(水)07:37

第65回 栴檀社書展

第65回 栴檀社書展

 

 

2019年3月6日(水)~10日(日) 東京銀座画廊・美術館

 

 

栴檀社(代表:大石三世子)

 

 

 

2019年2月20日(水)07:31

「古谷蒼韻 お別れの会」開かれる

弔辞を述べる老川祥一・読売書法会会長

 

昨年825日に94歳で亡くなられた読売書法会最高顧問、文化功労者の古谷蒼韻先生のお別れの会が217日、京都市内のホテルで開かれ、約1000人が参列しました。

 

開会にあたり、「古谷蒼韻 お別れの会」実行委員会を代表して杭迫柏樹先生が参列者に謝意を述べ、古谷先生の遺影に「生涯のすべてを書に捧げられた先生のご冥福を心よりお祈りします。お別れは申しません。わたくしの心の中に、永遠に生きていらっしゃいますから」と語りかけました。

 

続いて、読売書法会会長の老川祥一・読売新聞グループ本社取締役最高顧問・主筆代理、黒田賢一・日本書芸院理事長、書道文化研究家の西嶋慎一先生、門人代表の山本悠雲先生がそれぞれ弔辞を読み、参列者とともに古谷先生のご業績と人柄をしのびました。 

 

老川会長は「先生が身をもって示された書家の生き方と、将来を見据え、改革を行う先見性と決断力を胸に刻んで、書道文化の発展に今後とも尽くして参ることをお約束します」と述べました。

また、黒田先生は「常に漢字・かなという狭い枠を大きく超越した世界で制作を続けられ、その格調の高い先生独自の境地を多様に築き上げられました」と述べ、「書に対する真摯な態度、情熱をしっかりと受け継ぎ、日々努力研鑽をしなければなりません」と後進としての覚悟を語りました。

西嶋先生は「先生は書の神が遣わされし方でした」と作家主義、作品第一主義を貫いた書業をたたえ、「先生がお指図くださった数々は、必ず言い伝えられ、守られます」と述べました。

 

最後に山本先生が、古谷先生が弟子たちに常々おっしゃった「三つの大切なこと」として、「一つは線。二つ目は文字の形。三つ目は筆を持って書く時の充実した『気』が大切である」という言葉を紹介し、「格調高い作品を求められた先生の志を引き継ぎ、精進します」と誓いの言葉を述べました。

祭壇に献花する参列者

2019年2月20日(水)06:58