榎倉香邨先生 東京展でのインタビュー

個展「榎倉香邨の書―炎と山河」の東京展開幕時に、榎倉先生に今回の展覧会についてお話を伺いました。

 

東京展では、榎倉先生が心酔する若山牧水や牧水の妻・喜志子を題材とした大作23点を中心に、約90点が紹介されました。

 

牧水ゆかりの地や関係者を訪ね、制作に取り組む榎倉先生は、「43歳という短い一生の中に、80年近く生きたのと同じくらいの仕事がつまっている」と牧水の魅力について語りました。

 

 

(2017年2月14日東京銀座画廊・美術館にて。撮影:読売新聞社)

 

新作『あくがれ』の前で、「『あく』は居ること。『がれ』は離れていくこと。居るところからから離れていく。居るけど離れてしまう。牧水とはそんな存在」と先生にとっての牧水についてお話いただきました。

 

「牧水が亡くなった後も、妻の喜志子が牧水の業績を説き続けました。いくら牧水がいい仕事を残しても、後に、それを証明してくれる第三者、例えば、弟子であるとか、評論家であるとか、そんな人がいることが重要。牧水の場合は、それが、妻だった。だから、牧水という歌人は、喜志子抜きでは語れないのです」

 

 

 

2017年3月30日(木)11:00