石澤桐雨の萬葉千首

日展準会員で読売書法会常任理事の石澤桐雨先生(72)の個展「萬葉の流れの中にII  石澤桐雨の萬葉千首」展(読売新聞社ほか後援)が29日、東京・六本木の国立新美術館で、千紫会万紅展の企画展として開幕しました。
石澤先生は2013年と2015年に日展特選を受賞されるなど、活躍を続けられています。

 

 

本展は1993年に東京と青森で開いた「萬葉五百首展」の続編で、千五百番までの千首が取り上げられました。昭和の大書家と言われる師の鈴木翠軒(1889-1976)の晩年の傑作「万葉千首」にちなむ企画ですが、翠軒が仮名で揮毫したのに対し、石澤先生は万葉仮名で挑んでおられます。
今回の作品について「前回(1993年)の作品はいま見ると線も細く、才気走った感じがあります。やはり若かった。今回は、少しは落ち着いてきたと思います」と語る。

 

紙幣に使われている純楮紙を選び、薄緑、紫、白茶など12色に染め、扇形や矩形に切られました。高さ3メートルの屏風に貼り付けられた色とりどりの作品群は鮮やかで壮観です。

 

同時開催の万紅展には、3×16メートルの大作「過客」も出品されています。
7月9日まで。

 

2017年6月30日(金)15:56