特別企画 「高校生」この1点
澤西 柑奈

公募・漢字
澤西 柑奈
『臨礼器碑』
講評:文字を横に揃える様式美を兼ね備えた秀作
第42回読売書法展の高校生出品は、今回も、全国各地から多くの力作が寄せられました。年々出品数は増加していますが、内容も伴っていて、書文化を次の代へとつなぐ読売書法展の役割は、ますます重要になるものと思います。
今回取り上げた作品は、全高校生出品で、唯一「秀逸」を受賞した澤西柑奈さんの「臨礼器碑」です。この作品は、隷書の用筆や結体の特徴はもちろん、そこに原拓から得た発想で、文字を横に揃えるという様式美を兼ね備えた秀作です。字画の多少に関わらず、文字の大きさが均一であり、隷書の扁平な文字に揃えたことで、字間の白が際立っています。
また、潤滑も交え、字の懐の白にも気を配り、礼器碑特有の精妙で気品の高い雰囲気を醸し出しています。読売書法会の「本格の輝き」の理念のもと、古典の雰囲気漂う作品に仕上げるために、筆者が弛まぬ努力を重ねた賜物です。これからも古典を大切に習練を積んで、書道界で活躍することを大いに期待しています。
第42回読売書法展 中部展実行委員長
読売書法会常任理事
鬼頭翔雲

