岩城奈緒

講評：淡墨による流れの良い作

今年の東北展に出品された高校生の作品は、昨年からみると一段と感受性が豊かな高度な作品が目につきました。この作品は、古典の学習をしっかりして漢字創作作品にチャレンジしたもので、やや淡墨の墨色と行草体による流れの良い品格が高い作となっています。行間の明るさと文字の長短・疎密の変化、そして左右への変化ある造形、細線と潤渇の変化など実に良く配置され、会場の中で一段と光っていました。学生は素直で、技術の吸収力が高く、先生方の指導が良く現われ、素晴らしいことと思います。今後も若い人達の書道への興味が深まることを期待し、この一点を取り上げます。