作品

漢字部門・入選(中部展)

宮永紅燁 『李裕詩』

講評:修練の確かさ感じる

 李裕の詩「渡揚子江」40字の行草作品は、墨量があり筆力強靭なうえに重厚感を伴い気迫に富んだ秀作です。文字の大小、強弱、抑揚、緩急など変化にも優れているだけでなく、文字空間を上手に取り、リズムよく筆を運んでいます。さらには、行間美により作品の格調を高めています。加えて、絶妙な距離感の"間の響き"が心地よさを醸成しています。筆者の書の修練の確かさが垣間見える作品といえるでしょう。古典に裏打ちされた「本格の輝き」を漂わせるもので、将来を期待します。

第40回読売書法展 中部展実行委員長

読売書法会常任理事

鬼頭翔雲