岡本七海「紅葉」

講評

　「本格の輝き」を理念とする読売書法展に、多くの高校生から出品があったことは大変喜ばしいことです。

　中部展で入選した高校生作品の中でも、岡本七海さんのかな系調和体作品は、素晴らしいものでした。統一された行間美の中に、文字の大小の変化や潤滑、線の強弱による抑揚が見られます。また、筆の動きも大きく、全体のバランス・構成美が緻密に表現されており、一般の入選者と比べても引けを取らない力作です。

　今後も読売書法展を通じて、立派な作家として活躍してくれることを祈っています。

書を学ぶ若い世代へのメッセージ

　作家の卵である若い方々にとって、現代書壇を牽引する読売書法展への出品を通じて、日本の伝統芸術である書に携わっていることは、非常に良い経験になっていると思います。

　読売書法展が掲げる「本格の輝き」の基礎は、中国・日本の古典の勉強です。これからも古典をベースに書の"本物"を追求してください。今後もライフワークとして書に取り組んで行かれることを期待しております。