枯樹生華(続博物志)

――作品に込めた思い

釈文:枯樹華を生ず


「枯樹生華」とは、ひどく困難な時に、活路を得ること。元は、この上ない真心が通じるということ。今の状況下、誠実さを忘れることなく、本筋を見失わず、足元を固めながら、平穏に戻ることを待ち続けるしかありません。

――2021年の意気込み、読売書法展への想い等

 未だ新型コロナウイルス感染症の収束の気配すらないまま新年を迎え、人と人との繋がりが極めて希薄となり、さびしく感じておられる方も多いと思います。しかし、幸い作品制作は、師や書友に指導や刺激を得ながらも、究極は、密室での一人の業と言えましょう。この不自由な時こそ、書と深く向き合い、その成果の発表の場として、何としても今年の第37回読売書法展は開催し、その熱い思いを作品に込め、今まで以上に意義あるものとしたいものです。