ギャラリー
榎倉香邨先生
「少女心」
――作品に込めた思い
釈文:来よと言はば應となびかむ大方の少女心の咲かでかなしも(喜志子の歌)
一万首ほどの秀歌を残し牧水は四十三才という短い生涯を閉じます。その歌を整理し、牧水を不動の歌人として大成せしめたのは妻喜志子の仕事です。
勝手、気ままな牧水との生活を支え、死後も四十余年牧水に尽くします。息を引き取る時に「もう牧水の妻はやめてもいいかね」と家族に残した言葉にはつい涙してしまいます。
私は牧水を書き続けて二十年余りになりますが今後は喜志子に焦点をあてた作品作りを行い「愛」とは何かを考えいきたいと思っています。
作品は牧水の誘いに踏み出せない少女心を読んだ喜志子の歌を書いています。
――2021年の意気込み、読売書法展への想い等
コロナ禍で気が晴れませんが制作意欲を持ち続けて欲しいと思います。その基盤は健康であることです。お体を大事になさって下さい。