万葉集より

万葉集より

――作品に込めた思い

釈文:新たしき年の初めに思ふどち い群れてをれば うれしくもあるか 万葉集(4284)


 昨年来の新しい生活様式というものが、気の合うものたちが集まって過ごす時間を奪ってしまったようです。万葉時代のその前もその後も、人々は群れているところでこそ、成長していけるものだと思います。今年の後半からは、各々の気の合う仲間が、気楽に集合出来る日が来てもらいたいものです。

――2021年の意気込み、読売書法展への想い等

 書道の作品制作は、古典と向き合い、その中で自分自身を鍛錬していくことが基本となります。しかしそれと同時に、今現在の多くの作品に触れ、今現在の空気感を紙面に反映することも大切だと思います。昨年はそれが叶いませんでしたので、今年はぜひ読売書法展をはじめ書作品を展示する展覧会で、多くの書作家たちに、時間をかけて生の作品を鑑賞してもらいたいと希望します。それが一番正しい書道振興策だと思います。