靈機

靈機

――作品に込めた思い

釈文:靈妙なはかりごと


 「飄々蕩々復た悠々」(明・沈石田)といった境致にあこがれるのだが…。骨法の基本を重視しつつ、気が満ちてからの執筆を心がけた。かつて熱中した弓道にヒントを得て、射術の名手、韓の李広将軍の故事から「書律はもと射理に同じ」と観じた何紹基大先達に脱帽。久々に思いがとどいた一作。

――いま、伝えたいこと

 書の魅力の源泉は

○長い歴史と伝統―かつて、東洋芸術の第一は「書」であったという潜在的自負

○白・黒のみの究極の世界

○多面性の柱

 ・日常生活の中での用の美

 ・書かれた「語」への共感、共鳴

 ・読めなくても成立する造形美としての芸術性

原点に帰れば、「誰が、何という言葉を、どう表現するか」に尽きるわけですが、そこに無限の拡がりと可能性を感じます。