リポート シンポジウム「日展の書」

 

「改組 新 第6回日展」の地方巡回展が、12月14日に京都からスタートします。それに先立ち、11月23日に東京・六本木の国立新美術館で開かれたシンポジウム「日展の書」の内容をご紹介します。

今回は土橋靖子先生(かな)が司会を務め、西村東軒(漢字)、佐々木宏遠(漢字)、吉川美恵子(かな)、和中簡堂(篆刻)の4先生が登壇。土橋先生は、それぞれの先生にとって「核」となっている師の言葉や思い出、書作に当たって日頃から大切にしていること、そして「日展の書」について質問しました。

 

厳しくも指針となった師の言葉

佐々木宏遠先生は、大学時代に出会った師・古谷蒼韻先生の稽古場の緊張感を「シーン・・という無音の響きが聞こえるようでした」と表現しました。「先生が手本を書かれると、みんな目を点のようにして先生の手、腕、体の動きを見ていた。私は墨摺りとして朝から晩まで横にいて、本当の書というものを感じさせていただいた」。また、独学で書を学び、書道塾を開いた小学校教師の父からも大きな影響を受けたといい、「筆を持って気づいた時は、目の前に(父が)いた」と述べました。

西村東軒先生は、師の梅原清山先生がよく「AとBを比較し、足してCを書くように」とおっしゃっていたと述べました。その意味するところは、先人の書を学び、比較し、その中からつかみ取ったものを自分の書として表現するということだと思う、と解説しました。

 

今回の日展で東京都知事賞を受賞した吉川美恵子先生は、師・平田華邑先生から「継続は力なり」という姿勢を学んだと述べました。「先生は、理屈を言う前にとにかく書け、とおっしゃった。展覧会の頃になると夜中に電話がかかってきて、驚いた母に起こされて出ると『今何していた?』と聞かれ、『寝ていました』と言うと『わしは年を取ってもまだ書いているのに』とおっしゃった」と振り返りました。

 

和中簡堂先生は、小林斗盦(とあん)先生の「自分が卑小な存在であることを知りなさい」「篆刻だけでなく、もっと幅広く勉強しなさい」という言葉を紹介。弟子が少しさぼっているように感じると「来週までに趙之謙の模刻を20持っていらっしゃい。持って来なければ破門」といった厳しい指導を受けたことや、就職して二足のわらじを続けていた時も師から多くの課題を与えられ、「乗り越えて、乗り越えて(ここまで)来たところです」と語りました。

 

書作で大切にしている姿勢

次の質問は「書作に当たって日頃から大切にしていること」。
佐々木宏遠先生は、古谷先生から事細かく指導された筆の持ち方、運筆などを挙げました。「まず筆を(紙に)突け、突いたら1ミクロン上げろと言われ、何だろうと思った。『筆を吊る』とおっしゃっていたが、紙一枚、気持ちの分だけ筆を上げろという意味だった」。また、「送筆の中に終筆がある。筆を送り、休んだところで上げればよい」という言葉も、長年かかって理解できるようになったと語りました。

吉川美恵子先生は「大胆な中に繊細さがあるような作品が書けたら、と心がけている」と述べました。さらに、師から常に「一番大事なのは線質、線の厳しさ」と言われてきたことを基本にしつつ、「すぐれた書には自然な筆の運びの中に生き生きとした躍動感がある。最近は、自分の運筆のリズムの中に気負わずに自然と生まれる間、余白を出せたらと思っている」と語りました。

 

「日展の書」の重み

自分にとって日展はどのような存在か?という問いに対しては、どの先生も「ほかの展覧会とは違う」と別格の場所であることを強調しました。
西村東軒先生は「学生時代は雲の上の存在だった。それに参加することになってからは、日展を中心に1年間のスケジュールを組み、題材を考えるのも日展に一番いいものを当てたいという思いでやってきた」と述べました。和中簡堂先生は「自分の作品が、いかに伝統の延長線上に存在できるかを考えながら作っている」、佐々木宏遠先生は「会員になると(作品の)サイズが少し大きくなり、別格であることをさらに意識するようになった」と毎年の出品に臨む緊張感を語りました。

 

西村先生は「日展は古典を背景として王道を歩いている展覧会であり、そうあり続けることを望んでいる」と述べ、特にこれから日展で活躍していく若い世代に対して「古典を忘れず、時代の空気もそこに入れ、恐れず堂々とした作品を書いていただけたら」と期待を寄せました。吉川美恵子先生も「学生時代から一生懸命に書いて日展に出し、卒業後、何年もたってやっと入選できた。何回出しても通らなかったことが、今、少し貯金として残っているのかなと思う」と述べ、若い人にも自分の力量を試してほしいと呼びかけました。

 

司会の土橋靖子先生は、「日展は私たちが成長させていただく場であり、一番の晴れ舞台。これからの指針をそこで見つけ、次へつなげる反省の場でもある」と位置づけるとともに、「日展では五科を通してすばらしい先生方がご活躍されている。書だけでなく興味を広げ、美術の大きな輪を広げる場であってほしい」と述べました。

 

 

 

2019年12月9日(月)21:31

速報)2020年春開催「日本の書200人選」記者発表

12月9日、国立新美術館研修室で行われた「日本の自然と書の心『日本の書200人選~東京2020大会の開催を記念して』」(読売新聞社など後援)の記者発表の様子です。

 

記者発表には、「東京2020オリンピック・パラリンピック記念書展実行委員会」の副委員長を務める読売書法会常任総務の黒田賢一先生、星弘道先生、髙木聖雨先生が出席。髙木先生による概要説明や、星先生や黒田先生による席上揮毫など、約1時間にわたって書や展覧会の魅力をアピールされました。

 

展覧会の概要や構成を説明する髙木聖雨先生(写真右)

 

五輪をテーマに揮毫を披露した星弘道先生(写真上)と黒田賢一先生(同下)

 

同展は、同館企画展示室1Eにて2020年4月25日(土)から5月10日(日)に開催される予定です。

詳細は公式サイトからもご覧になれますので、ぜひチェックしてみてください。

 

公開された同展のイメージ・ポスター

 

2019年12月9日(月)19:30

九州展_開幕

36回展の巡回最終会場となる「九州展」が12月6日、福岡国際センターで開幕しました。

今回の読売大賞・準大賞はじめ、九州・沖縄地区の入賞・入選作品、読売書法会幹部役員の新作など、「本格の書」約1,700点が、会場にずらりと並べられています。

 

今年も、「読売学生書展」と併催していますので、同センター2階の回廊には、小・中・高校生の入賞作品約900点も展示されています。

 

7、8日の週末はぜひご家族そろって会場で、「書」をご堪能ください。

 

最終日の8日午後3時からは、同会場で九州展の読売書法会役員によるデモンストレーション(席上揮毫)も予定されています。

 

揮毫者: 漢字・北村久峰 先生(九州展副実行委員長)

 

2019年12月6日(金)11:13

中部展_表彰式・祝賀懇親会 開催

11月27日から開催されていた「中部展」の表彰式・祝賀懇親会が12月1日、名古屋市内のホテルで行われ、約500人が出席し、栄誉を称え合いました。

 

読売準大賞を受賞された馬場紀行さん

 

愛知県美術館とウインク愛知の展覧会場には、連日多くの書道愛好家が来場されました。

2019年12月2日(月)12:00

北海道展_最終日(作品解説と篆刻教室)

北海道展5日目(最終日)の作品解説の様子です。

 

戸澤秋亭・北海道展副実行委員長

 

 

篆刻教室の様子です。

上山天遂・北海道展副実行委員長

  

2019年11月24日(日)12:30

北海道展_4日目(表彰式・祝賀懇親会)

11月23日に札幌パークホテルで行われた表彰式の様子です。

 

 

今年、北海道展の最高賞・読売俊英賞を受賞した久保田共子さん(写真右)と下山邃堂さん(同左)

2019年11月23日(土)18:26

北海道展_4日目(親子習字教室)

北海道展4日の「親子習字教室」の様子です。

 

 

2019年11月23日(土)15:00

北海道展_3日目(席上揮毫と作品解説)

午後に行われた席上揮毫の様子です。

読売書法会常任総務で、36回展審査部長の高木聖雨先生が4尺×8尺の大字など3枚を揮毫し、その後、トークイベントや作品解説を行いました。

 

午前に行われた作品解説の様子です。

 

小野木沈香・北海道展副実行委員長

 

2019年11月22日(金)11:11

北海道展_2日目(作品解説)

2日目の作品解説の様子です。

爽やかな晴天の中、多くの方々に御来場いただきました。

 

山田香園・北海道展副実行委員長

 

上山天遂・北海道展副実行委員長


2019年11月21日(木)11:20

北海道展が開幕

第36回読売書法展の北海道展が20日、札幌市の札幌市民ギャラリーで開幕しました。

 

書法会幹部役員や北海道地区役員の作品のほか、道内の入賞・入選作品など計332点が展示されています。

 

初日に行われた作品解説の様子です。

 

阿部和加子・北海道展実行委員長

石田壱城・北海道展副実行委員長

 

会期は11月24日まで。連日、関連イベントが実施されますのでこちらの情報もお見逃しなく。

 

2019年11月20日(水)10:00